いじける自分が小さく弱く貧しい人間であると思えば思うほど幸福な気持ちになった。寂しさにかまけて人に頼るよりも孤独に浸っている方が私は心の傷が癒されていく。頼ってほしいと言われても素直になれないのではなく、孤独を癒すには自分の存在をちっぽけにしていくことが必要だった。気難しい性格だと言ったのは母だった。優しすぎる性格だと言ったのは父だった。どちらも私を心配して言った性格だと思う。私を信じて送り出してくれたのは父だったし、不信がゆえに連絡を途絶えさせたのは母だった。心配しているという言葉を多用した母と、言葉もなくただ笑顔をくれた父と。私はどちらに似たのだろう。弱く小さく貧しい私は眼前の夜景に過去を見る。時間が好きだった。過去も未来も現在も、時間...2021.11.21 11:14BrothersNovel hintDaily Blog
静かな雨雨の日は何もかもがロマンチックでエモーショナルになる。いつもは切れキャラでお友達を笑わせている私でも、雨の日と日が暮れたあとは人が変わったように女になる。ギャップというには突飛すぎて、今までは変わり者というレッテルをはられうまく人間関係に自信が持てなかった。だでも彼もそんな経験は少なからずしていると思う。ただし、こんなふうに言語化できない人が多いからうまく人生をつかみきれないんじゃないだろうかと。また自分のことを認めると前進することを余儀なくされるからあえて言語することを避けているのではないかと。子どものころに親に勉強しなさいと言われすぎた弊害かもしれないと時々思う。人間だれしも天邪鬼なところがあるからそんな部分を大いに開放してしま...2021.11.09 03:10BrothersNovel hintDaily BlogGOODS
心の旅直情一徹の性格が幸いと思えることはほとんどない。感情のままに動くから失敗も多いし敵も多い。幾度となく眠れない夜を過ごしたことか。自身の性格に難ありと自覚があるから長らく人を信用することが苦手だった。いつかどこかで必ず裏切る。そう信じていたし、そう感じている。トラウマというのか、根付いた感覚というのか。バカに丁寧に人の感情をなぞるのは臆病だからだし、リスクを最小限にとどめておきたいからだ。わがままは命取りになる。自分にメリットがなければいずれ誰もが去っていく。世知辛い世の中を信用している。優しい世界には半信半疑だ。キレイになることや、人への思いやり、自分以外に目を向け続けることの全ては他者に嫌われないためで、つまり自分のためだった。時...2021.10.17 23:53Novel hint
one by one悲しんでいる者と共に悲しみ、喜んでいる者と共に喜びなさいとイエス様がおっしゃるけれど、私は明るいことが好きだし、喜んでいる人と共に大きな口を開けてガハハハッと笑うほうが性に合っている。暗いくなってしまうことが嫌だから、コロナ渦中であってもなんとか明るい話題を引っ張り出してきては自分を鼓舞してきた。神様の教えはこの世の真理だからねじ負けてしまっても、必ずや真実に連れ戻される。的外れであっても、当たるまで試合は終わらない。なんてスパルタなんだ!物は考えようで、悲しむ人と悲しまなければならないなら、悲しむ人を極端に減らしてしまえばいいのではないだろうか。喜びを増大させて、悲しみを減少させる。涙をこの世から消してしまって、笑いにあふれさせる...2021.10.11 01:07BrothersNovel hintDaily BlogLiver Blog
tomorrow tonightあなたの明日になりたいの、と歌うLooteの[tomorrow tonight]は2021年私が一番聞いた曲らしい。思えばすでに10月目前、今年も残り3か月、36歳まで4か月となっていた。あなたの明日になりたいのと言うからにはその前の晩を共に過ごさねばならない。おしゃれな表現である。しかも、離れた恋人に対して「あんな意地悪を他の女の子にして私の気を引きたいのはわかっていた。バカげている、どうしちゃったの?」と冷静にたしなめる。ふたりだけが知る秘密の感情にゾクゾクした。淡白な恋愛観を持っているのは、一緒にいるときだけに見せたい表情があるから。距離感も連絡頻度も淡白なのは、ふたりでいるときに恥も弱さもバカらしさも晒して互いの弱みを握りあ...2021.09.29 03:39BrothersNovel hint
永久保存版(CAST)人生の総決算は葬式に出る。どんなに悪く言われようとも、どんなに変な噂がたとうとも、その人の葬式でどれだけの人が嘆き悲しみ惜別の思いを表したかを見ればどれだけ偉大な人であったかが証明される。生れたときは何も持っていなかった私たちが生きる過程で様々な財宝を手に入れていく。その財宝が有り余るものだと気づけた人々は富の分配に尽力する。足るを知るとは謙虚の源だ。誰かに何かしてあげたいという思いは生れたときから誰もが持っている。いつの間にか様々な雑事に慣れてしまい私たちは気が回らなくなってしまう。のんびり生かしてもらっている私には人の何億倍にも増して有り余る財宝がある。だから富の分配を決めた。のんびり生かしてもらっているから心の機微に気づきやす...2021.09.28 14:53Novel hint
小説のモデル私の小説のモデルは恋人だったり、友達以上恋人未満の親友だったり、弟みたいにかわいい男の子だったり、道ですれ違っただけの名もない匂いのある人だったりと、私がこの目で見て何かをかぎ分けたひとばかりだった。それだといくつかの支障が出てしまう。リアルでケンカをすると小説が書けなくなるのだ。私にはにおいをかぎ分ける力がある。この人は私を受け入れてくれるだろうとか、警戒しておくべきだろうとか、何をどう思っているかをにおいでかぎ分け、姿勢で確認し、視線で確信する。直感が鋭いから、現実的な判断よりも自分の直感に頼ることが多い。人の好き嫌いはまず間違いなくあたる。それは「この人と関わったら自分は破滅に向かう」という恋愛の危うさも含んでいる。君子危うき...2021.09.27 04:14Novel hint